2025.12.30
その他「とりあえずExcelで…」が会社を救う瞬間もある。仕組みの“仮住まい”から始める賢いDX
はじめに
「まだExcelで管理しているんですか?」
そんな言葉が、どこか時代遅れでネガティブな意味を持って語られるようになりました。確かに、データ共有や権限管理の面でExcelには限界があります。
しかし、一方で、私たちは確信しています。「とりあえずExcelで」という判断が、現場の混乱を防ぎ、会社を救う瞬間があるのもまた事実です。なぜ今、あえてExcelという選択肢を肯定的に捉える必要があるのでしょうか。
Excelが真価を発揮する「3つの状況」
現場では、新しい仕組みを整える際に、いきなり高価なシステムを導入しないほうが良いケースがあります。
・業務フローがまだ固まっておらず、試行錯誤が必要なとき
・とにかく1分1秒を争う状況で、今日から入力を始めたいとき
・「何が正解か」が見えず、まずはデータを集めて傾向を知りたいとき
この段階で多機能なシステムを入れてしまうと、使い勝手の悪さや柔軟性のなさが仇となり、現場の反発を招いてプロジェクトが頓挫することさえあります。
Excelの最大の強みは「速さ」と「柔軟さ」
Excelは、ITの専門知識がない現場スタッフにとっても身近な道具です。
・すぐにシートを作成し、入力を開始できる
・項目の追加や変更が、その場で直感的に行える
・失敗したり、使いにくかったりしても、すぐにやり直せる
特に新しい事業や、急速に変化している部署においては、Excelは最高に使い勝手の良い「業務の仮置き場」となります。
「とりあえず」が、最強の要件定義になる
実は「とりあえずExcelで運用してみる」ことには、システム開発において非常に大きな価値があります。
・実際の業務の流れが、データとして可視化される
・現場が「どこに手間を感じているか」が浮き彫りになる
・本当に自動化すべき項目と、人が判断すべき項目が明確になる
つまり、Excelでの運用期間は、将来作るシステムの「失敗しないための下書き(要件定義)」を現場で作っている時間でもあるのです。
ただし、Excelは「永住」ではなく「仮住まい」
もちろん、Excelを使い続けるリスクも忘れてはなりません。
・ファイルが乱立し、どれが最新か分からなくなる
・特定のベテラン社員しか中身が分からない「属人化」が起きる
・入力ミスや計算式の破壊が増え、データの信頼性が下がる
ここまで来たら、それはExcelというツールが悪いのではなく、ツールが果たすべき役割の限界を超えているサインです。
大切なのは「卒業のタイミング」を見極めること
Excelは「仮住まい」です。いつまでも住み続けるのではなく、次のような状況になったとき、新しい仕組みへの引越しを検討すべきです。
・業務の形が固まり、ルールが共通化した
・関わる人数が増え、共有に支障が出始めた
・溜まったデータを「分析」や「予測」に活用したくなった
この「卒業のタイミング」を逃さないことが、投資対効果を最大化させる秘訣です。
株式会社Shared Valueの考え方
私たちは、最初から「システム化ありき」の提案はしません。
・まずは使い慣れたExcelで業務を整理する
・その中から、本当に仕組み化が必要な部分だけを抽出する
・Excelを否定せず、これまでの運用を「育ててから卒業させる」
この段階的な進め方こそが、現場に無理な負担をかけず、確実に成果を出すDXの最短ルートだと考えています。
まとめ
「とりあえずExcel」という判断は、決して逃げや手抜きではありません。むしろ、現場のリアルに即した「賢く現実的な選択」です。
重要なのは、いつまでExcelに頼り、いつシステムへと進化させるか。その時期を正しく見極めること。株式会社Shared Valueは、貴社の成長に合わせて、Excelの次の一手を一緒に考える伴走者です。
「今のExcel運用のまま進めるべきか、変えるべきか迷っている」という方へ
まずはそのExcelシートを、私たちの「業務診断書」として見せてください。今のままでも十分なのか、それとも卒業の時期なのか。貴社の現場にとっての最適解をアドバイスいたします。