2025.12.30
その他ノーコードは魔法ではない。期待しすぎると業務が止まる、活用のための「境界線」
はじめに
「ノーコードなら誰でもすぐ作れる」
「エンジニアがいなくてもDXができる」
そんな魅力的な言葉が世の中に溢れています。確かにノーコードツールは、従来の開発の常識を変える画期的な手段です。
しかし、ノーコードは決して「何でも叶えてくれる魔法の道具」ではありません。その特性を正しく理解せずに導入すると、むしろ業務が複雑化し、取り返しのつかない混乱を招くことさえあります。ノーコードを本当の武器にするために、知っておくべき現実を解説します。
ノーコードが注目される「納得の理由」
まず、ノーコードがこれほど支持されているのは、明確なメリットがあるからです。
・開発スピードが圧倒的に速い:コードを書かないため、数日で形にできる。
・初期コストを抑えられる:専門エンジニアを長期間拘束せずに済む。
・現場主導で改善できる:ITに詳しくなくても、現場が自分で微調整できる。
特に、新しい業務の検証や、小規模なワークフローのデジタル化において、これほどコストパフォーマンスの良い選択肢はありません。
でも「何でもできる」わけではない
ノーコードで最も多い誤解が、「これ一つで全ての業務がシステム化できる」という考え方です。実際には、ノーコードには明確な「苦手分野」が存在します。
・複雑な計算や、条件分岐が多すぎる業務ロジック
・現場ごとに異なる膨大な例外処理
・他の基幹システムとの高度なリアルタイム連携
・大量のデータを高速で処理・表示するパフォーマンス
これらを無理にノーコードで実現しようとすると、設定が複雑怪奇になり、結果として
「動作が重くて使い物にならない」
「誰も中身を直せない」
という本末転倒な状態に陥ります。
ノーコード導入で「失敗」する典型的なパターン
現場でよく起きるのは、次のようなケースです。
・業務整理を後回しにして、いきなりツールを触り始める
・現場ごとに違う運用を、無理やり一つのツールに詰め込む
・セキュリティや権限管理を軽視して、後から修正不能になる
「とりあえず作ってみた」の延長で基幹業務を動かそうとすると、少しの変更でシステム全体が壊れたり、メンテナンスできる人がいなくなったりして、結局「Excel管理の方がマシだった」と元の木阿弥に戻ってしまいます。
大切なのは、システムとの「正しい使い分け」
ノーコードは万能ではありませんが、使いどころを間違えなければ強力な味方になります。重要なのは、役割を明確に分ける設計思想です。
・コア業務(止まってはいけない、複雑な基幹業務):しっかりとしたシステム開発
・周辺業務(特定の部署だけで使う、シンプルな作業):ノーコード
・検証フェーズ(まずは形にして試したい):ノーコード
このように、システムとノーコードを適材適所で組み合わせることで、スピードと安定性を両立させることができます。
株式会社Shared Valueの考え方
私たちは、ノーコードを否定しません。同時に、盲信もしません。
・どこまでをノーコードでスピーディに進めるべきか
・どこからをシステムとして堅牢に構築すべきか
・数年後の拡張に耐えられる構成か
これらを冷静に判断し、将来的に「負の遺産」にならないための設計を行います。ノーコードを魔法として扱うのではなく、現実的な「道具」として使いこなすための道筋を示します。
まとめ
ノーコードは非常に便利ですが、万能ではありません。
重要なのは、ツールを選ぶ前に「何をノーコードに任せ、何を任せないか」を見極めることです。株式会社Shared Valueは、流行に流されることなく、現場の継続的な成長を支えるための「最適な組み合わせ」を一緒に考えます。
「ノーコードで自社アプリを作ろうとして、行き詰まっている」という方へ
それはツールのせいではなく、設計の境界線がずれているだけかもしれません。株式会社Shared Valueが、今の仕組みを整理し、無理なく運用できる形へと再構築するお手伝いをします。