2026.01.17
その他上場審査で主幹事証券会社が注目する管理体制とは?システムで実現するIPO準備のコツ
IPO(株式上場)準備において、主幹事証券会社が重視する審査ポイントと、それに対応するための「業務の仕組み化」や「システム活用」について解説します。初期調査で見られるガバナンス体制・予実管理・労務コンプライアンスなどの実務対応に加え、Shared Valueが提供する収益認識基準対応・J-SOX対応ワークフロー・リアルタイム経営管理のためのシステム構築例をご紹介。Excelや属人的運用に頼らず、上場審査を乗り越えるための実践的なヒントをまとめています。
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株式上場(IPO)を目指す企業にとって、監査法人と並んで重要なパートナーとなるのが主幹事証券会社です。 彼らは単に株式を販売するだけでなく、上場に向けた伴走者として、企業の体制整備を厳しく、かつ親身に指導します。
しかし、証券会社が求める管理レベルは非常に高く、多くの上場準備企業がその対応(タスクの消化)に苦戦します。今回は、証券会社による引受審査のプロセスと、そこで求められる基準をクリアするために必要なシステム対応について解説します。
1. 主幹事証券会社の役割と審査スケジュール
主幹事証券会社は、会社が上場適格性を備えているかを厳格に審査(引受審査)します。この審査に通らなければ、その後の証券取引所による審査に進むことはできません。
一般的に、IPOに向けたスケジュールは以下のように進みます。
- 直前々期(N-2期): 上場準備のキックオフ。初期調査を行い、課題を抽出するフェーズ。
- 直前期(N-1期): 課題を改善し、社内規程や管理体制を運用するフェーズ。後半には証券会社による中間審査が始まります。
- 申請期(N期): 証券会社による最終的な本審査を経て、証券取引所へ上場申請を行います。
2. 最初の難関「初期調査」で何が見られるのか?
主幹事証券会社を選定した後、最初に行われるのが初期調査(デューデリジェンス)です。これは企業の健康診断のようなもので、多岐にわたるチェックリストに基づいて現状の課題を洗い出します。
主なチェックポイントは以下の通りです。
① 組織と機関設計の実態
組織図や業務分掌規程と、実態が乖離していないかがチェックされます。 例えば、取締役会が毎月開催され、議事録が残っているか、監査役が適切に監査を行っているかといった基本的なガバナンス機能が問われます。
② 予算統制と予実管理
「なんとなく売上目標を立てている」だけではNGです。 根拠のある事業計画に基づき、毎月「予算と実績の差異分析」を行い、その原因を経営会議等で報告・対策するサイクル(PDCA)が回っているかが重要視されます。
③ 労務・コンプライアンス
残業代の未払いはないか、労働時間は客観的に(PCログやタイムカード等で)記録されているかといった労務管理は、近年の審査で最も厳しく見られるポイントの一つです。
④ 関連当事者取引の整理
役員やその親族、関連会社との取引(関連当事者取引)は、原則として解消するか、合理的な理由と適正な価格であることを証明する必要があります。
3. 証券審査を乗り越えるための「タスク管理」
初期調査で抽出された課題は、タスク管理シートによってリスト化され、期日までに一つひとつ解決していく必要があります。
- 反社チェックのフローを構築する
- 稟議規程を整備し、決裁ルートを明確にする
- 適時開示に対応できる経理体制を作る
これら数百に及ぶタスクを、通常業務を行いながらこなしていく必要があり、現場には大きな負荷がかかります。ここで多くの企業が直面するのが、マンパワーの限界と属人化の壁です。
Shared Value の強み:証券審査の課題を「システム」で解決する
証券会社が求めているのは、書類があることだけではありません。誰がやっても間違いなく運用できる仕組み(内部統制)があることです。
Shared Valueは、この仕組みづくりをシステム面から強力にサポートします。
① 複雑な「収益認識基準」の自動判定
IPOにおいては、売上をいつ、いくら計上するかの基準(収益認識会計基準)を厳密に適用する必要があります。 例えば、システム開発と保守運用がセットになった契約において、これらを別々の義務として切り分け、開発分は納品時に、保守分は期間按分して計上するといった複雑な処理が求められます。
Shared Valueは、こうした会計基準のロジック(契約の識別、履行義務の識別など)をシステムに組み込み、入力すれば自動的に正しい基準で売上が立つ環境を構築します。
② 内部統制(J-SOX)に対応したワークフロー
証券審査では、権限のない人が発注していないか、承認プロセスは適切かが問われます 。 私たちは、貴社の職務権限規程に基づいたワークフローシステムを構築し、システムを通さないと業務が進まない(=不正ができない)状態を作り出します。これにより、監査証跡(ログ)も自動的に蓄積され、審査対応がスムーズになります。
③ 予実管理の迅速化と精緻化
月次決算に20日かかっている状態では、証券会社が求めるスピード感に対応できません。 各部門のデータをリアルタイムに統合し、予実差異を即座に可視化するダッシュボードを提供することで、経営者が迅速な意思決定を行える体制を整えます。
攻めのIPO準備のために、守りのシステムを。
主幹事証券会社からの指摘事項(タスク)を、Excelや紙の運用で乗り切ろうとすると、組織は疲弊してしまいます。 IPO準備期間こそ、業務プロセスを抜本的に見直し、システム化する絶好の機会です。
「証券会社から多くの課題を指摘されたが、どうシステムに落とし込めばいいかわからない」 「会計基準に対応した販売管理システムが必要だ」
そうお考えの経営者様、上場準備担当者様。 IPOの現場を知り尽くしたShared Valueに、ぜひ一度ご相談ください。貴社の上場スケジュールに合わせた最適なシステム環境をご提案します。
⚠【免責事項】
本ページは情報提供を目的としており、法律・会計・経営判断に関するアドバイスではありません。
実際の導入・契約にあたっては、専門家と相談のうえ、貴社の責任でご判断ください。
※本記事の内容は、2026年1月時点の制度・基準に基づいています。